ヘルシンキを1日で満喫

ヘルシンキの魅力を1日で楽しむなら? ヘルシンキに住む私のおすすめの場所をご紹介します。

まずは朝のおすすめ。朝食を楽しみたいなら、St. George ホテルのベーカリーカフェ。このカフェの一番の魅力はパンのおいしさです。サワードゥのフレッシュなパンがなんとも言えません。その他にもシナモンロールを始めとして魅力的なペストリーやスイーツ類もあります。個人的なおすすめは、ブレックファストセット(19€)です。ビュッフェ形式で、スモークサーモン、ハム、チーズ、野菜、ポリッジなどが食べられる他、バスケットに入ったサワードゥのパン、バター、ゆで卵、プチスイーツ、さらにコーヒーかティーもついています。パンもコーヒーもおかわりできます。

おいしい朝食の後は、歩いてマーケット広場とマーケットホールに向かいましょう。途中でヘルシンキの象徴とも言える真っ白な大聖堂の前も通れます。マーケット広場やマーケットホールをのぞいた後は、ユネスコ世界遺産に登録されているスオメンリンナ要塞島に行きましょう。島まではマーケット広場から出ている市営のフェリーでたった15分。このフェリーは公共交通の一部となっているので、市内を走るトラムやバス、近郊電車と同じチケットで利用することができます。これとは別にフェリーを運航している会社もあり、そちらはスオメンリンナ島の中心に到着します。便利ですが、割高です。島を満喫したいなら、市営のフェリーを利用して島の端から歩いてみるのがおすすめです。島に着いたら、昔の要塞の壁や大砲などを見ながらフィンランドの歴史に思いをはせてみましょう。スオメンリンナは観光地としてだけでなく、市民がピクニックや散歩を楽しむ場所でもあります。島を歩き回って疲れたらカフェやレストランで休憩したり、お腹が空いたら、Suomenlinnan Panimo (市営フェリー乗り場のすぐ近く)でおいしいサーモンスープのランチを食べたりするのもよいものです。

さて、再び街中に戻ってきたら、岩の教会として知られているテンペリアウキオ教会に行ってみませんか。この教会はなんと花こう岩の中をくりぬいて造った教会です。つまり壁はもともとあった岩盤で、これにより音響効果がとてもよく、コンサート会場としても素晴らしい場所です。他の場所にはない独特な雰囲気で教会の神聖さがさらに増して感じられます。晴れた日には大きな窓から見える空が真っ青で、印象的です。

テンペリアウキオ教会ではしばしばコンサートも開催されています。

さらに、ミュージアムやサウナもおすすめです。ヘルシンキには、実にたくさんのミュージアムがあって、現代アートでもフィンランドアートの黄金期を代表するアーティストの絵画でも、建築でもデザインでも、見てみたいと思うものが必ず見つかります。質の高い展示会が多いので、少なくとも一つは見に行っていただきたいと思います。

アテネウム美術館で2023年9月17日まで開催中のフィンランドを代表する画家ALBERT EDELFELT展

ヘルシンキには公共のサウナもたくさんあります。また、ほとんどのホテルにサウナがついています。サウナはもっともフィンランドらしいものの一つです。ぜひサウナでまったりする時間を作っていただきたいと思います。私のおすすめサウナは、Hermannniです。Hermanniは1953年からある昔ながらのサウナですが、筋金入りのサウナーばかりでちょっと緊張するということもありません。観光客が多いサウナというわけではないので、ほどよくフィンランド人と一緒に普通のサウナが体験できます。サウナは夕食も済ませてから1日の終わりにゆっくり楽しむのもよいものです。サウナの営業時間、あるいはホテルのサウナの時間を事前に調べて、うまくスケジュールに組み込むのがよいかと思います。

夕食に私が一番お勧めする場所は、BasBas というビストロです。とにかくおいしくてサービスも最高ですが、大人気のレストランは予約もなかなか取りづらくなっています。ヘルシンキに滞在する日が決まったら、すぐに予約をしましょう。キャンセルするのは簡単です。また、すぐに予約できなくてもキャンセルが出ることもあるので、こまめに予約状況をチェックするのがおすすめです。

ヘルシンキは、急がずに自分のペースで楽しむのが一番だと思っています。街の魅力やローカルのおすすめ、イベントなどはヘルシンキ市が日本語でも提供しているmyhelsinki もぜひ見てみてください。

この記事のライター

松本 由美
松本 由美デジタルコンテンツクリエーター・翻訳者・ライター(Yumi Matsumoto Communications)
2008年にノキア・ジャパン社(東京)からノキア本社(ヘルシンキ)への異動によりフィンランドに移住。2013年からフリーランスとしてフィンランド政府観光局のSNSや様々なデジタルコンテンツの作成、翻訳、通訳、執筆などに従事。趣味は旅行、カフェやレストラン巡り。