秋はデザインの季節

みなさん、いかがお過ごしでしょうか?
フィンランドの9月は例年よりも大分暖かく、森ではきのこがすくすく育ち、今年は豊作です!そんな秋を感じる日々ですが、芸術の秋ということで、今回は9月に行われたデザインフェア、ハビターレの様子と、10月に東京で開催されるフィンランドデザイナーたちの展示をご紹介したいと思います。

毎年、9月中旬にハビターレというデザインフェアが開催されます。ヘルシンキの中心地から5キロほど離れた場所に、一年を通して様々なフェアが開催される会場があります。中でも、デザインフェアはなかなか人気のフェアなのですが、このフェアの特徴は一般にもオープンしているという点で、実はメインはプロフェッショナルというよりも、一般の消費者という点にあると思います。なんと今年は4万人を超える来場者を記録し、賑わいを見せていました。冬が長い北国ということもあり、自宅を居心地よくするため、インテリアに興味がある人が多いのかもしれません。とてもフィンランドらしさが感じられるインテリアフェアです。

まず会場に入ると企業ブースがたくさん並んでいます。今年は入り口付近に、LOKALというヘルシンキのギャラリーとインテリア事務所Studio Plenty による、Yhdessä(一緒に)という展示が開催され、フィンランド在住のアーティストやデザイナーの作品がキュレートされていました。迷路のような布で仕切られたスペースを抜けると、真っ赤な階段と真っ赤なスペースが現れ、ダイナミックなコントラストで会場が構成されていました。

私が展示していたのは、The Blockというエリアで、美術大学の学生たち、フリーランスデザイナーなどが展示するスペースです。中でも、10年以上前に始まったProtoshopというコーナーが名物で、ユニークなプロトタイプに触れることができます。ここでの出会いから製品化に至る場合もあり、若手デザイナーにとってはチャンスを見つける場所でもあるのです。Protoshopの創始者である、サーラ・レンヴァルは「機能性を持ちつつも、何か新たにユニークな視点が感じられる作品が選ばれる」と話してくれました。

私は去年に続き、フィンランドの赤土で陶芸作品を作るUDUMBARAとブースをシェアしました。今年はもみの木のシリーズのみに絞り、まるでテキスタイルの森に来たような空間をつくりました。以前からブランケットを作りたいと考えていたのですが、今回の展示でのお披露目となりました。赤ちゃんのブランケットとしても、大人のひざ掛け、ソファ掛けとしても使えるサイズになっており、赤ちゃんからお年寄りまで長い間使ってもらえたらという願いを込めて作りました。フィンランドには、出産前に国からマタニティパッケージという最初の一年に必要なものが一式揃ったギフトが国から支給されるのですが、その中に入っているベビーブランケットと同じクオリティとなっています。

ハビターレにはハビキッズと呼ばれるコーナーがあり、子供の遊べるエリアが充実しているので、週末には子供と一緒に訪れるファミリーも多いです。今年はマッティ・ピックヤムサが招待され、彼の絵が壁一面に大きく印刷され、会場内に森が出現しました。子供達は工作をしたり、自由に走り回ったり、常に多くの人で賑わっていました。子供の頃から、こんな風に気軽にデザインに触れることができるのは素晴らしい取り組みです。

ハビターレと同時期には、ヘルシンキデザインウィークが開催されています。目玉のイベントはデザインマーケットとメイン展示。デザインマーケットでは、サンプルや旧商品などがお買い得価格で手に入る大人気のイベントです。メイン会場は、毎年会場が変わるのですが、今年はプナブオリ地区のビルの最上階にて開催され、日本からはminä perhonenも展示に参加し、フィンランドのデザイナー、Esa Vesmanenとのコラボで実現した照明を展示していました。


ハビターレ、デザインウィークの様子はいかがだったでしょうか?デザイン好きな方ならば、この時期にヘルシンキにいらっしゃることをおすすめします!今年のハビターレの会場の様子はインスタライブに収めましたので、よろしかったら私のインスタグラムからご覧ください。

最後にお知らせになりますが、10月20日から29日まで、東京のヒュバマトカにて、日本フィンランドデザイン協会 JFDAのメンバーである、フィンランドのデザイナー5名によるグループ展、「Tauko – Into the Forest ひといき-森の中へ」が開催されます。週末にはデザイナーたちも在廊していますので、是非この機会にフィンランドのデザイナーたちに会いにいらしてください。

詳細はDESIGNART TOKYOのページからご覧ください。


この記事のライター

島塚 絵里
島塚 絵里テキスタイルデザイナー・ライター
フィンランド在住。2007年にフィンランドに移住し、アアルト大学でテキスタイルデザインを学ぶ。マリメッコ社でテクニカルデザイナーとして勤務した後、2014年より独立し、国内外の企業にデザインを提供する他、もみの木のテキスタイルなどオリジナルプロダクトをプロデュース。2022年に初のエッセイ本、フィンランドで絵本を出版。