ラリー・フィンランド

世界ラリー選手権のイベント、ラリー・フィンランドは毎年夏にユヴァスキュラで開催されます。フィンランド湖水地方の典型的な美しい風景に囲まれたユヴァスキュラと周辺地域でのラリーは、1000湖ラリーと呼ばれていたこともあります。北欧最大のモータースポーツイベントには毎年50万人ほどが訪れるそうです。

フィンランドでのラリー大会には長い歴史があります。モンテカルロラリーの予選大会として、フィンランド最南端の街ハンコで開催されたのがその始まりです。ハンコでのラリーはモンテカルロラリーとはほど遠いものだったようです。ユヴァスキュラで開催するという案が1951年7月に採択され、ユヴァスキュラ・グランプリは1951年9月に初開催されました。このラリーはコッコラとオウルを通りラップランドのロヴァニエミに向かいユヴァスキュラに戻るという1700kmのレースだったとのこと。その後ヘルシンキやオウル、さらにはスウェーデンの街などがラリーの出発点に選ばれるなど変遷を遂げながら今のラリーの形式に発展していきました。

ユヴァスキュラでのラリー選手権は、森に囲まれたグラベルコースを走る超最速ラリーとして知られています。平均速度がラリー選手権の中で一番速いそうです。フィンランドと言えば多くの人が思い浮かべる森と湖のある風景の中をラリーカーが高速で走り抜けて行きます。

そんなラリー選手権を2018年7月に見に行く機会がありました。その際は、関係者の方からゲストチケットをいただくことができ、特別なエリアに入場したり、Toyotaチームの方からお話を聞いたり、間近で実際にレースを走ったラリーカーを見たり、1994年〜98年にかけて5連覇を遂げ、現在はToyota Gazoo Racing WRTの監督でもあるトンミ・マキネンさんと一緒に写真を撮らせていただいたりもできました。

ラリーは周辺の町を含めたユヴァスキュラ地域の様々な場所を走ります。私たちは日曜日のパワーステージと呼ばれる最終レースを見に行くことにしました。各ステージを観戦するために用意される観光バスのようなものがあるので、それを利用すれば私たちのように車がなくても見に行けます。ユヴァスキュラ駅の旅行センターからバスに乗り、ルーヒマキ(ちなみにマキmäkiはフィンランド語で丘という意味です)に向かいました。森の中を、スピードを出して走ってくるラリーカーがジャンプする様子はなんともワクワクするもので、周りの観戦者と一緒に歓声を上げました。こんなふうに車がジャンプするのを見るのは初めてのこと。実は、観戦中はよく分かっていなかったのですが、後で調べてみるとこのステージはすごいジャンプが見られるコースとして有名なようです。

レースが終わると急いでバスに戻り、ユヴァスキュラ駅に向かいます。駅のすぐ隣に設置されているステージで表彰式が行われるのです。このスケジュールが結構バタバタで、車で来ていた人たちは少し早めにユヴァスキュラ駅の方に戻り表彰台に近い場所で表彰式の開始を待っていたようです。私たちがポディウムに着いたときには、多くの人々がステージの前に集まっていて、後ろの方から表彰式を見ることになりました。Toyota Gazoo Racing WRTのオィット・タナック(エストニア)/マルティン・ヤルヴェオヤ(フィンランド)組が優勝し、エストニア、フィンランド、そして日本の国旗が舞いました。感動的なシーンでした。

今年のラリー・フィンランドは8月初めに開催され、TOYOTAチームのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組が優勝しました。TOYOTAはこの時点でマニファクチャラー選手権のトップに立っています。

フィンランドはラリーだけでなく、F1でも有名です。ミカ・ハッキネンやキミ・ライッコネンなどは日本でも知っている人が多いのではないかと思います。その他モトクロスやロードレースなど、スピードを誇るフィンランド人アスリートのニックネーム『フライング・フィン』と呼ばれるフィンランドのドライバーが活躍しています。

ところで、ユヴァスキュラにラリーを見に行けなくてもフィンランド旅行の際にはヘルシンキにあるスポーツ博物館でモータースポーツに関する展示を見ることができます。博物館で自分の好きなモータースポーツに関する展示を見るだけでもモータースポーツファンにはたまらない体験になるのではないでしょうか。

絶対ユヴァスキュラでラリー世界選手権を観戦したいという場合は、ホテルを早めに予約することをおすすめします。

ラリー・フィンランド

TAHTOフィンランドスポーツ博物館

この記事のライター

松本 由美
松本 由美デジタルコンテンツクリエーター・翻訳者・ライター(Yumi Matsumoto Communications)
2008年にノキア・ジャパン社(東京)からノキア本社(ヘルシンキ)への異動によりフィンランドに移住。2013年からフリーランスとしてフィンランド政府観光局のSNSや様々なデジタルコンテンツの作成、翻訳、通訳、執筆などに従事。趣味は旅行、カフェやレストラン巡り。