フィンランドの意外なところにあるおいしいお店

数は少ないかもしれませんが、フィンランドにもこんなところにこんなにおいしいお店が?!と思うような場所があります。そんなお店に出合えたときはとてもうれしくなります。私がフィンランドで出合った意外なところにあるおいしいお店の中から厳選した3店をご紹介します。

Tapio タピオ

Tapioはまさに意外なところにあるおいしいお店の代表と言えるのではないでしょうか。毎年発表されるフィンランドのベストレストラン50の2021年版にリストアップされたお店です。ベスト50に選ばれるレストランは、有名で聞いたことのある場所がほとんどですが、このお店はまったく聞いたことがなく、こんなところにという表現にぴったりのPosio(ポシオ)という場所にあります。そんな意外性から興味がわき、近くに行くことがあれば絶対に行ってみたいと思っていました。

2022年の夏にポシオの近くまで行くことになったので、足を延ばして、ペンティックのカルチャーセンターにも寄りつつ、Tapioに行ってみることにしました。

車で走りながらどこにあるんだろうと思いつつ、たどり着いたレストランは湖のほとり。森と湖以外周りにはなにもなく、レストランに行くというよりも、コテージに行くという表現の方がしっくりくるような場所にTapioはたっていました。赤い2階建ての木造建築の1階がレストランです。

お店の中に入ると、シンプルな内装で木造の温かい雰囲気が伝わってきました。メニューはおまかせのみです。それぞれこだわって丁寧に作られた料理は、食材の組み合わせが新鮮で、一皿一皿感動して食べました。

Tapioの建物の2階は宿泊施設になっていて、ここNaali Lodgeに宿泊するとTapioの朝食が食べられるそうです。そこに泊まらないと食べられない朝食に心引かれます。なんともおいしい朝食なんだろうということは容易に想像できます。また、いつかこの地を訪れる機会があるなら、ぜひTapioの2階に泊まってみたいと願っています。

Tapio(レストラン)https://tapio.restaurant/

Naali Lodge(ロッジ)https://www.naalilodge.fi/fi/ravintola-tapio/

Kolin Ryynänen コリン リューナネン

コリは、フィンランドの国家的風景の一つと言われる風景が広がる場所です。コリの丘から眺める風景はなんとも言えません。フィンランドで私が大好きな場所の一つです。私が初めてコリを訪れたのは、2019年の始め、コリ国立公園が雪に覆われている時期でした。Facebookの投稿で私がコリにいることに気付いた友達からメッセージが来て、コリにいるなら絶対このレストランに行った方がいいと勧められたのがKolin Ryynänenでした。まったく聞いたことのない、ある意味無名のレストラン、半信半疑でしたが、ほかに取り立ててここという場所もなく、ディナーはホテルのレストランかなと思っていたので、行ってみることにしました。

車のなかった私たち、ちょっと距離がありましたが、行きは雪景色を楽しみながら、エクササイズもかねて歩いて行きました。これが結構大変で、歩きで行こうと思ったことを後悔しましたが、このレストランは行って正解。メニューが魅力的で、食べてみたいと思うものがたくさんありました。お店の建物も独特で、部屋がいくつかあって、なんだか楽しい感じです。周りにはガソリンスタンドとスーパーくらいでなにもない場所にこんなレストランがあるなんて、友達に教えてもらわなければ、わざわざコリの丘の上にある快適なホテルから出て食べに行かなかっただろうなと思っています。

実際に出てきた料理も味わい深く、コリを再び訪れた時にもこのレストランで食事を楽しみました。コリに行くという友達には必ずおすすめしているレストランです。

Kolin ryynänen https://www.kolinryynanen.com/

Restaurant Back Pocket レストラン バックポケット

フィンランド国内の旅でおすすめの場所の一つにトゥルク群島トレイルがあります。たくさんの島を周回できるルートは一周すると250kmですが、短いルートもあります。島と島はフェリーや橋で結ばれていて車や自転車、あるいは公共交通機関を使って巡ることができます。夏に大人気のフィンランドの国内旅行先で、私も一度このルートを旅して大好きになりました。

車なら1日でも回れますが、島々で泊まりながら数日かけて群島の美しい風景を楽しむこともできます。素敵なホテルもいくつかあり、その一つがHotel Nestorです。Korpoという島にあり、私たちは群島巡りの最終日にここに泊まりました。自然に囲まれた場所にあるシンプルながらも温かみを感じるこのホテルのレストランがBack Pocketです。以前ここに泊まってこのレストランで食事をしたおいしいものには目のない友達のおすすめだったので、期待大でディナーの時間を待ちました。食事はテイスティングメニューのみ。わくわくしながらいただいた料理はすべて最高。さわやかな夏の味が堪能できました。フィンランドで行ったレストランの中で一番おいしかったかもと思ったほどです。

おすすめ度一番のBack Pocket。夏はレストランだけの利用もできますが、それ以外のシーズンはホテルに滞在したお客様のみに食事を提供しているということです。それも特別感があっていいなぁと思います。

Restaurant Back Pocket https://hotelnestor.fi/en/restaurant/

この3つのレストランのうち、TapioとBack Pocketは予約必須です。また、どのレストランの周囲にも見どころがたくさんあるので、合わせて旅の計画をしていただくのがおすすめです。

この記事のライター

松本 由美
松本 由美デジタルコンテンツクリエーター・翻訳者・ライター(Yumi Matsumoto Communications)
2008年にノキア・ジャパン社(東京)からノキア本社(ヘルシンキ)への異動によりフィンランドに移住。2013年からフリーランスとしてフィンランド政府観光局のSNSや様々なデジタルコンテンツの作成、翻訳、通訳、執筆などに従事。趣味は旅行、カフェやレストラン巡り。